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独りじゃないから 5

「……寧ろ…素敵すぎて、本当に良いのかと戸惑っているくらいです… こんなに自然がたくさんで…空気が綺麗で…空が近くて……、皆さん、優しくしてくださって…」 学園に来る前は皇帝家の所有する屋敷に居たらしいレンシアは、もしかすると息の詰まるような思いをしていたのかもしれない。 ずっと都会に住んでいた井小田も同じような思いをしていた事を思い出す。 「俺もね…、ずっと都会の狭苦しい部屋にいたんだ。 帰っても誰も出迎えてくれないようなさ… だから、ここは…まあちょっと不便かもしれないけど、のんびりできていいなーとは思ってたよ」 都会はなんでもあるし、人も沢山いるけど、どこか孤独だった。 でもそれはただ、自分が独りだったからだ。 自分の身を案じてくれるような人達にいつでも歓迎されるのは、不思議だけど暖かくて、それだけで何もなくたって 帰れる場所だと思えるから。 それはきっと、どんな場所でもそうなのだろう。 「でも俺は、あの学園の寮でもレンシアさんがいつも出迎えてくれるから…それだけで毎日凄く幸せだよ」 イオンは恋人の頭を撫でて、思わずでれでれと笑ってしまうのだった。 「…イオンさんに…飽きられないように、します…」 レンシアはそんな事を言いながらじっと見つめてくるので、いやいや、と苦笑してしまう。 「何言ってんの! レンシアさん以上の人なんていないでしょ…」 「そうでしょうか……」 「そうだよ!世界中どこ探したってさ…こんなに好きになれる人はいないんだから」 力説してもレンシアはまだ自信無さげに眉根を寄せていて 一体今までどれだけ虐げられてきたのかとイオンは呆れてしまうくらいだった。 でも彼が悪い訳ではないのにいろんな事があったから、不安になってしまうのも仕方が無いのかもしれない。

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