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「フリグスって、暇さえあれば勉強しているよね。えらいなぁ」 「お前は暇がなくても勉強した方がいいんじゃないのか」 「そ、そうだけど⋯⋯! だけどね、前よりも成績が良くなったんだよ」 喜んだ顔を見せる。 確かに座学と共に自身で魔法を発動できるようになった。 そう思うと、やはりあの魔道具が注いだ魔力を阻害していたのだろう。 「補習も少なくなって良かったな。手間が省けた分、自分の時間に充てることができる」 前は毎日のように補習に付き合わされて、放課後は自分の時間が少なかった。 何故外すことになったか定かではないし、魔道具を取り付けたのも身勝手な理由であろうから、理由はどうでもいいことだが、何にせよ張本人であったあの教師が外してくれたことに関しては感謝してやろう。 「でも、ぼくは物足りないかな⋯⋯」 「勉強か? 仕方ない。教えてやる」 「そうじゃなくて⋯⋯いや、座学もそうだけど、フリグスの魔力をもう少し供給して欲しいかな、って⋯⋯」 恥ずかしそうにうっすらと頬を赤らめたアラタスはもじもじしながら言う。 またか。 フリグスはうんざりとした目を向けた。 外れて、魔法で感覚を麻痺させる手間がなくなり、本当の快楽を知ってからというものの、こいつは無駄に欲しがるようになった。 呆れた。 いつも一緒にいる友人と同じような思考に成り果てている。 わざとらしくため息を吐いた。 「いらないだろ。物足りないなら、自分でローションでも入れて栓でもしておけ」 「そんなんじゃ意味がないんだって。ローションに魔力が入っているけど、一時的なものだし⋯⋯」 「一時的だろうがなんだろうが、別にいいだろ。そんなに魔法を発動するのか」 「そういうわけじゃないんだけど⋯⋯」 何で言っている意味が分からないのか。 不服そうな顔を覗かせる。

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