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7.
「今日、フリグスの部屋でシていい⋯⋯?」
「急になんなんだ。さっきはそんなことを言ってなかっただろう。補習室だと後処理もしてくれるのを知っているだろ」
「そ、そうなんだけど! 急にそういう気分になった、というか⋯⋯何て言うか⋯⋯」
歯切れ悪そうにはっきりと言わない。
何かを隠していて、その言いたいことは何なのか、恐らくはそれだろうと思うが、何にせよどうせ大したことがない理由だろう。
どうせコイツが言う恋人なのだから、どちらかの部屋で愛を育みたいという魂胆なのだろう。
だったら、お前の部屋でもいいだろうと言いかけたが、基本二、三人部屋であることを思い出し、言葉代わりにため息を吐いた。
部屋はいつ誰が来てもいいように綺麗にしてある。してあるからこそ、予定のない特に性行為なんてされたら、後々片付けが面倒だ。だから、特にそういうことは避けたかったのだが。
「⋯⋯今日は特別に許してやる」
「やったぁ!」
「ただし、条件がある」
諸手を挙げているアラタスの言葉を被せるように言う。
「一つは後処理はお前がすること」
「えぇ〜? また条件を増やすの〜?」
「文句があるなら止めるぞ」
「えぇ!? それだけは絶対嫌っ!」
食い気味に言うアラタスに引きそうになりながらも、このまま止めてくれればいいのにと心の中で舌打ちをした。
「一つはって言っていたけど、もう一つ条件があるの?」
「ああ、それはな──」
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