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11.※受け 手コキ

「は⋯⋯もう、いいかな⋯⋯」 独り言を呟いたアラタスは指を引き抜いた。 指に纏わせたローションの水音と小さく喘ぐ声が何ともそそられてしまう光景だったが、それに乗せられてはならないと理性をどうにか保った。 「⋯⋯フリグスの、触っていい⋯⋯?」 「好きにしろ」 ため息混じりに訊ねてくるそれが淫靡に思い、そう言うのが精一杯だった。 再度「触るね」と断りを入れたアラタスが、ローションを纏わせた手でやや勃っているフリグスのに滑らせる。 ぬちぬちとローションの水音を立てながら、両手で包むようにして、下から上、それから先端部を親指の腹で優しく捏ねるように触った。 マーキングと称していつもよりも魔力を注ぎ込もうとした時、流れでアラタスに奉仕してもらおうとした時のことを思い出す。 あの時、性交したいのはフリグスの方なのではと生意気な口を黙らせるために咥えさせたのだが、咥えさせたものはいいもの、下手したら噛まれてしまうのではと思い、仕方なしに教えた。 その際に教えた手淫がそれから何度かやっている甲斐もあってか、多少なりとも相手がどう快感を得るのか分かってきたようで、そうなるように触れてくる。 その慣れてきた手つきに小さく声を漏らす。 「⋯⋯フリグス、気持ちよさそう」 「⋯⋯お前が、そう思うのならそうなんじゃ⋯⋯っ」 「素直じゃないんだから」 「⋯⋯お前⋯⋯っ」 睨むが、アラタスはそれでも楽しそうに笑う。 全く調子に乗るな、と言おうとしたものの漏らすため息にアラタスの思うがままだと思われそうで、声を出さぬようぐっと堪えることに努めた。

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