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3.※乳首責め
物陰にいたのだろう、背後にいた男の一人に腕を取られた。
咄嗟にその手を振りほどこうともがいたもののぴくりともせず、そうしている間に口を布で塞がれた。
殺されると血の気を引いた愛賀は、しかし、それからする甘い匂いを嗅ぐことになった。
部屋に充満する匂いとは違う匂いだと思った、その瞬間。
ふっと意識がなくなった。
目を覚ますと、ベッドの上に座っていた。
眠れないのに、知らぬ間に寝てしまったのかと思った。だが、先程の出来事を思い出したことにより、そうではないと思い直した。
手を動かそうとした。ところが後ろ手に結束バンドらしいものに拘束され、次にガムテープなのか口が塞がれていることに気づいた時、身動きが出来ない状態で行為を及ぶのだと理解した。
「やっと起きたか」
目の前にいた男が言う。
愛賀の口を塞いだ男ではないが、愛賀の背後にもう一人の男がいる気配がした。
逃げられない。
この部屋に入れられた時からそうではあったが、身動きが取れない上に、先程手を取られた時も感じた圧倒的な力がある男二人に挟まれ、余計なことをするとこの状況よりも酷いことをされそうで、下手な真似は出来なかった。
恐怖を滲ませた目で男二人の様子を伺っていた。
「あんな人気のない所を、そんな格好をしていたら襲ってくださいと言っているもんだぜ、姉ちゃん?」
「ふっ、ん⋯⋯っ」
前の男が不敵な笑みを見せ、後ろの男が開いている胸部分に手を入れ、探るような撫でるような手つきで肌を触れてきたかと思えば、服を引き下げ、晒した乳首を摘んだ。
「可愛い声で啼くなぁ。もっとその声を聞かせてよ」
指の腹で優しく撫でる。
「ん、ん⋯⋯、ふ⋯⋯」
摘まれた時は刺激が強いものだったが、触れているのかいないのか、そのもどかしい触り方にむず痒さを覚えた。
物足りないと、思うほどに。
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