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第6話 放課後、ふたりきりの帰り道
授業が終わるチャイムが鳴る。
荷物を片づけながら、悠馬は隣の蓮に目を向けた。
「帰れる?まだしんどくない?」
「……うん、大丈夫。悠馬くんとなら、歩けると思う」
その一言に、胸の奥がほわっと温かくなる。
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学校を出ると、風は少しおさまっていた。
夕陽が、ふたりの影を長く伸ばしている。
蓮は制服の裾を押さえながら、悠馬の横を歩いていた。
その歩幅は、悠馬にちゃんと合わせていた。
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「……ねぇ、蓮くん」
「ん?」
「今日、来てくれてありがとう。無理してたら、ちょっとだけ……心配だったから」
蓮は一瞬黙って、少し俯いた。
けれど、そのあとポツリとつぶやく。
「ぼく……悠馬くんに、会いたかったから」
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夕暮れの中、その声は小さくて──
でも、はっきりと届いた。
悠馬は、ゆっくりと深呼吸して、思わず言葉を返す。
「……オレも、会いたかった」
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ふたりの影が重なる。
ふと、蓮が足を止めた。
「ねぇ、手……」
「え?」
「……握ってもいい?」
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言葉じゃなく、感情で動いた。
悠馬はそっと蓮の手を取る。
指先がふれて、ゆっくり絡む。
「……あったかいね」
「蓮くんの手も。……ちょっと、ドキドキしてるけど」
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手をつないだまま、
ふたりは言葉少なに、でも心はぎゅっと近づいて歩いていった。
今、この距離が──
何よりも、尊いと思えた。
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