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第11話 きみに触れたくなる距離

日曜日の午後。 公園で告白してから、まだ一日しか経っていない。 なのに、悠馬の心はもう、蓮のことでいっぱいだった。 ⸻ 「今、なにしてるのかな」 「会いたいな」 「声、聞きたいな」 そんなことばかり考えていたら、 気づけばスマホに手を伸ばしていた。 ⸻ 《今、少しだけ会える?》 メッセージを送ってから、返事がくるまでの時間が、やけに長く感じた。 けれど── 《うん。じゃあ、昨日の場所で》 数分後に返ってきたその言葉だけで、 胸があたたかくなった。 ⸻ 夕暮れの公園。 蓮は、昨日と同じベンチに座っていた。 でも今日は── 隣じゃなくて、少しだけ寄り添うような距離だった。 ⸻ 「来てくれて、ありがとう」 「悠馬くんが呼んでくれるなら……いつでも、来るよ」 ⸻ 風が吹くたび、 蓮の髪がふわっと揺れて、顔が近づく。 そのとき、悠馬の中でひとつの思いがあふれ出した。 ⸻ 「……蓮、キス、してもいい?」 蓮は驚いたように目を開いて、 それから……小さくうなずいた。 ⸻ 静かな音も消えるほどの、 柔らかくて、短いキスだった。 でも、唇が離れても── ふたりの想いは、しっかりと重なっていた。 ⸻ 「……すごく、あたたかかった」 「それ、ぼくのセリフだよ」 ⸻ 空が少しずつ色を失っていく中で、 ふたりの心は、確かな光で満たされていた。

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