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第14話 好きの先を、少しだけ

ぎゅっと抱きしめたまま、 蓮の指が、悠馬の服の裾をそっとつかんだ。 「……ねぇ、悠馬くん」 「うん?」 「ぼくのこと、もっと……触れていいよ?」 ⸻ その言葉に、悠馬の喉がごくりと鳴った。 息を飲んだのは、自分の方だった。 「……ほんとに、いいの?」 「うん……悠馬くんだから。 ぼく、君に触れられるの、こわくない……」 ⸻ そっと、蓮の髪に手を伸ばす。 指が触れるたび、柔らかい吐息が漏れる。 頬にふれ、耳元に手をすべらせ、 そして──首筋へとゆっくりと指が降りていく。 ⸻ 「……あ、ん……」 はじめて聞く、蓮の小さな声。 「ごめん、変なとこ触った……?」 「ちがう…… きもちよくて……ちょっと、声……出ちゃった」 ⸻ 部屋の静けさが、ふたりの熱を包む。 言葉よりも、肌よりも、心が近くなる瞬間。 ⸻ 「蓮……」 「悠馬くん……」 再び、唇が重なる。 今度は、お互いを確かめるような深いキス。 ⸻ 好きの先にある感情が、 今、そっと扉を叩いた。

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