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第19話 ふたりだけの秘密

夕暮れ時、神社をあとにして並んで歩くふたり。 手はまだ繋いだまま、ほんのりと温かさが残っていた。 「レン……さっきの場所、誰にも言わないから」 「ふふ、当たり前じゃん。あそこは、悠馬と僕だけの場所だよ」 夕焼けがレンの紫の瞳を照らして、どこか幻想的に見えた。 悠馬は少し照れくさそうにうつむいて、ぽつりと呟く。 「……僕も、ああいう場所……好きになりそう」 「ねぇ悠馬、今日は泊まりに来る?」 「えっ……」 急に心臓が跳ねた。 レンは、少しだけ意地悪そうに笑っている。 「冗談だよ。でも、今度は本当に来てよ? ふたりでゆっくりしたい」 「……それ、ほんとに、冗談?」 レンの笑顔が少しだけ変わる。 さっきまでの冗談交じりのトーンではなくて、今度は――少しだけ真剣な目。 「ねぇ悠馬。僕、悠馬と……もっと近くなりたいって思ってる」 「れ……レン……」 その先の言葉を遮るように、レンがそっと耳元で囁いた。 「好きだよ、悠馬」 またひとつ、ふたりの距離が近づいた――そんな夕暮れだった。

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