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第20話 夜風と心音

夜が深まり、静けさが街を包み込む。 悠馬の部屋。窓を少し開ければ、心地よい夜風がカーテンを揺らした。 ベッドの上には並んで座るふたり。 制服は脱いで、悠馬はTシャツにハーフパンツ。 レンは私服のシャツのボタンを少しだけ外して、リラックスした姿。 「ふぅ……今日、いっぱい歩いたね」 「うん。でも楽しかった。レンと一緒にいると、時間があっという間に感じる」 悠馬のその言葉に、レンはふっと笑って、少し身体を近づける。 「じゃあさ、もっと一緒にいたら……時間、止まっちゃうかな?」 「……っ、それは……」 レンの顔がすぐ近くにある。 息がかかる距離。触れたら、すぐに……。 「悠馬……さっき言ったよね?僕のこと、好きって」 「……うん」 「じゃあ、僕のこと……ちゃんと、ぎゅってして?」 促されるように、悠馬はレンを抱きしめた。 あたたかい。心臓の鼓動が、互いの胸に伝わる。 「……ドキドキしてる。レンの音、聞こえる……」 「うん、悠馬のも……ちゃんと聞こえるよ」 ふたりだけの、夜の静寂に包まれながら―― 心音が重なる、甘い時間が流れていく。

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