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第21話 小さな告白

抱きしめたまま、しばらく言葉もなく、ただ静かに時間が流れていた。 レンの体温が、悠馬の腕の中で心地よく染み込んでいく。 「……ねえ、悠馬」 「ん?」 「こうやってぎゅってされるの、嬉しいけど……もっと近くにいたい」 レンはそっと顔を上げて、悠馬の肩にあごを乗せるようにして、ふわりと微笑む。 「近くって……これ以上?」 「ううん、もっと、心の距離っていうか……。言葉にしないと、伝わらないことってあるでしょ?」 その言葉に、悠馬は少し驚いたように目を見開いた。 レンの瞳は、真剣で、どこか不安げでもあった。 「……僕、ね。悠馬のこと……ずっと好きだった」 「っ……レン」 「最初は友達として、大切にしたくて。でもいつの間にか、それだけじゃ足りなくなってて……」 レンの声は少し震えていた。 勇気を出した小さな告白――それは、ずっと胸の奥にしまっていた想い。 悠馬は何も言わず、レンの手を取った。 そして、自分の胸の上にそっと置く。 「ここ、ずっとドキドキしてたよ。レンに触れて、話して、笑って――全部、好きになってた」 「……悠馬」 ふたりはまた、そっと抱き合った。 今度は、もう迷いのない気持ちを乗せて。 夜風が窓から吹き込むたび、ふたりの心が、少しずつ重なっていく。

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