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「失礼します。先生、姫宮さんの様子どうでした──っ」 扉を開けた先に映った光景に我が目を疑った。 ベッドの上で患者である姫宮が高い声を上げて、身体を上下に激しく動かしていたのだ。 顔を引きつらせた。 「な、何をやっているの!」 「何って、子作りだよ⋯⋯?」 叫ぶ看護師に不思議そうな顔をして答えた。 「先生も何やっているんですか! こんなこと、信じられない⋯⋯!」 吐き捨て、看護師は部屋から立ち去った。 愛賀は傾げた。 「何がおかしいんだろうね⋯⋯?」 「何もおかしくない、よ⋯⋯っ、君のシたいことをしてごらん⋯⋯」 「うん、先生っ」 繋いでいた手を改めて絡め直した愛賀は勤しんだ。 愛賀のナカに挿入(はい)ってくれた先生の熱は、何度も何度も満たしてくれた。 嬉しいぐらい種を注いでくれたのだから、きっと子どもが出来るはず。 楽しみ。 「姫宮さん! 何をしているんですかっ!」 さっきの看護師ではない男性の声が聞こえてきた。 戻ってきた看護師が数人引き連れて戻ってきたようだった。 構わず腰を振っていた愛賀だったが、呆気なく引き離されてしまった。 あっと声を上げた時にはすでに遅く、ベッドから引きずり下ろされてしまった。 ついさっきまでナカに感じていた熱がない。 せっかく注いでくれた精液が溢れてしまってる。 愛の結晶の元が無くなってしまう。 子どもが、出来ない。 「だめ⋯⋯だめ⋯⋯っ、あいがのものなのに⋯⋯っ!」 「ちょっ⋯⋯! 姫宮さん、暴れないでっ」 「あいがの⋯⋯っ!」 溢れ落ちるものを掬おうとした。だが、後ろから抱きつく形で愛賀のことを捕らえているため、手を伸ばすことも叶わなかった。

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