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12.
「なんで、どうして、愛賀の邪魔をするの⋯⋯っ! 子どもが欲しかっただけなのに⋯⋯っ!」
「ほら、落ち着いてっ! ⋯⋯っ、また荒療治をせねばなりません、先生っ!」
「分かった。押さえておいて」
もう一人増え、完全に身動きが出来なくなってしまった。
「離してっ! やだっ! 離し──⋯⋯っ」
それでも必死になって身を捩る愛賀の首に一瞬の痛みが走った。
この痛みは前にも感じたことがある。
そう思ったのもすぐ後。
力がふっと抜けた時、瞼が下りた。
はっきりとしない視界が広がる。
その視界でも何を映しているのか分かるぐらいに見慣れてしまった無機質な天井。
嫌なぐらいに明るく部屋を照らしている。
まだ、朝。また一日が始まってしまう。
もう終わらせて欲しいのに。
その目を細めてしまうほどに眩しい光から背を向けようと寝返りを打とうとした。
しかし、何かに押さえつけられているかのようにままならない。
何故だろう。
唯一動かせる頭を動かした。
目を疑う光景が広がっていた。
身体に白いベルトが張り巡らされ、両手はそれぞれ手首に巻かれた拘束具でそれぞれの柵に繋がれており、両足も同じようにされているようで、動きを制限されていたのだ。
なんでこんなことを。何があったの。
昨日? 昨日何かした? 思い出せない⋯⋯。
拘束されるぐらいの悪いことをしたから、お仕置きとしてこうされているのだろうか。それとも、身動き出来ないまま犯したい欲がいるのか。
あの時のように酷いことをされる。
「──姫宮さん、起きられましたか」
突然声を掛けられて、大きく身体を震わせた。
怯えた目で見ると初めて見る先生と看護師がそばに来ていた。
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