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第5話
圭吾は湯船に浸かっている間、悶々としていた。
光希の口淫があまりにも上手かったからだ。
今まで過去に居候していた先でこういうこともやっていたのだろうか?
そう考えると何とも複雑な気持ちになる。
30手前になる良い大人だ。
そういうこともあって当然だが、男相手が自分だけではないことにどこか腹立たしさも感じる。
圭吾はのぼせる前に風呂から出た。
脱衣所を出るともう既にダイニングテーブルには夕食が待っていた。
光希は向かい側に座りながら圭吾が風呂から上がるのを待っていたのか、スマホから目っを離すと手招きをする。
「お、やぁっと上がってきた~、ささ、食べよ食べよ~。」
「おぉ、…いただきます。」
「召し上がれ~。そしておれも頂きまーす。」
カラリと揚がったからあげを一口齧ると中からジュワッと肉汁が溢れてくる。
生姜とにんにくのパンチが効いた唐揚げは食欲を更に増進させる。
箸が止まらない。
ガツガツと食べる圭吾を見て光希も微笑んで食を楽しんだ。
食後、二人で洗い物をする。
カチャカチャと食器の音が響く。
食事は相変わらず旨かったが、さっきの事が頭から離れない。
その事に気づいたのかどうかは分からないが、光希が質問を投げ掛けてくる。
「東って、普段一人で抜かない感じ?」
「っ…!…どうしても勃ってしまう時は仕方なくしてる。今は仕事が忙しいから尚更してなかったんだ。」
「恋人とかいなかったの?」
「居ない。」
「じゃあ今も童貞?東ってそう言う店行かなそうだし。」
図星だったのかギクリと身体を固める。
その反応を見てカラカラと笑った。
「いやそうだよね~。東って昔から硬派なイメージだから変わってなくてむしろ安心。それに比べて俺変わっちゃったかも…。」
どこか寂しそうに話す光希だったがすぐに声色を変えて話しかける。
「東が嫌じゃなかったらさ、俺とセックスしない?」
「は?!」
「セックスってめちゃめちゃストレス解消になるらしいんだよ。東も日々のストレスを発散したいだろ?俺で発散しちゃおうよ、俺も相手欲しいし。」
半分冗談、半分本気の話をして圭吾に目をやると顔を真っ赤にさせながらも本気にしているのが一目で分かった。
圭吾が口を開く。
「本当に、良いのか?」
「うん、いいよ。じゃあ今週末しよ?」
こうして週末セックスの予定が入った。
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