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第2話 朝から何を

ピンポーンっ♩ 「来たよー。お待たせっ。」 「お、雄也早かったじゃん、なんだよ、2時間とか言ってたから、まだ何も準備してないわ。」 「あ、そ、そうなんだ、ごめん!俺が準備する側だと思って言っちゃったんだよね、いや、まさかさぁ、嬉しいよ、海都。」 んあ?コイツナニイッテンダ? 「準備って何んだよ。たまによくわからないこと言うよな、お前。急に連絡して悪かったな、来てくれて嬉しいよ。とりあえず上がって〜。このあとどうするか決めようよ。」 「あ、何か、飲むか?何がいい?」 リビングに誘導しながら俺は雄也に確認する。 「えっと、、、じゃあ、とりあえずビールで?」 「は?」 いや、いいけどさ、これから出かけようっていうのに、いきなりビールか? なんか、病んでるのかなぁ、言動もさっきおかしかったもんな。愚痴でも聞いてやった方がいいのかな。 「先にビール飲んで、大丈夫か?ほら、缶だけど良いだろ。」 「先に、、、う、うん、心配してくれるんだ。大丈夫だと思うよ。飲み過ぎなければ、俺、本当に、、、海都とならいつだって、、、もちろん終わった後で飲むのも、良いよな、ヤバい、ドキドキしてきた。」 「おまっ、飲む前からドキドキって、なんかヤバくないか?まだこれからだろうに。あ、雄也だけってなんか不公平だな、俺も飲むー。」 このまま、出かけないで宅飲みになりそうだな、と思いつつ、行きたいところがあったわけではない俺は、自分用にビールを取るついでに、冷蔵庫に入れていた常備菜を取り出す。 ほんと、こいつ大丈夫かな、疲れ過ぎじゃないか? 「アルコールばかりじゃなんだから、これつまみ代わりな。俺、朝ごはんまだ食べてなくて、飲みだけだと、まわりそうだから。」 「サンキュー。・・・お、美味いじゃん、このキンピラ、ゴボウと人参にーーーこれはなんだ?大根の皮?海都が作ったのか?それとも彼女でも出来た?良い嫁さんになりそうだな。」 「何言ってんだ、俺に彼女が出来るわけないだろ、自分で作ったんだよ。雄也にたべさせたくてーーーって冗談だけどな。」 ふふっ、と笑いながら料理の腕を褒められた俺は、軽口を叩く。 「海都ー、やっぱりお前がそっちなのか。なかなか気付いてやれなくてごめん。 もしかして俺の勘違いかも、って思って、彼女が出来たか?なんて事まで聞いて、悪かったよ。 臆病な俺を許してくれる?海都。」 「別に、彼女が出来てないのは勘違いじゃないから、大丈夫だよ。それより、雄也はどうなんだ?まさか、彼女できたとか?だから急に彼女が出来たか聞いたのか?」 内心、そんなわけないよな、と思いながら確認する。 「出来るわけないだろ、俺は海都しかみてないよ。新人研修の時に海都が定時外に研修続きそうになったら、人事に残業代出るのか聞いたりとか、出張帰りのおっさんが手土産見せつけて女子に『お茶入れてくれる?』と言ったのに対して、だったら買って来なきゃいいのに、って言ったりとか。 ほんと、海都だけしか見えない。惚れるな、って方が無理だよなぁ。」 「おいw」 やったことはいろいろ事実だが、なんか違うw こいつ、時々失礼だな。

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