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LESSONⅧ:第87話
「あぁっ、そんなところ」
自分でも触ったことのない場所だというのに雅紀に触れられるとお腹の奥は硬いそれを求めてじんと熱くなる。
「この先へ進んでいいのか?」
ナギサは声を出さずに頷く。
「熊に出会ったような顔をしているということは……初めてなのか?」
逆に言えば雅紀は漣音としている。漣音がしてもらえて、自分の勇気が足りないせいでしてもらえないなんて、ナギサは嫌だと顔をしかめた。
「ボクは好きになった人も、キスも、人の前で射精したのも、雅紀さんがぜんぶ初めてなんだから」
他人のそれを比べたことがないから、雅紀のものが大きいかどうかなど知る由もないが、ナギサにとってはあまりにも大きくてすべてを自分のなかに飲み込める自信はどこにもなかった。それでも自分の身体で雅紀を気持ちよくなって欲しかった。
「どうしてこんなに身体の制御が効かない状態のときに、追い打ちをかけて我慢できなくなるようなこと言うんだ。ナギサは」
さきほどの優しい強さは失われたが、指の先がゆっくりと蕾のなかへ押し込まれる。
キスはずっと止まず、もう片方の手で胸の突起をいじられた。
ナギサは何年も封じ込められていた欲望が一気に身体じゅうを駆け巡るように全身で雅紀を求めてしまう。
舌でナギサの上あごをなぞられると鳥肌が立つくらい心地よかった。口の中に感じる部分があるなんて、ひとりきりだったら味わえなかっただろう。
身体に力が入らないまま、雅紀の口づけと愛撫に酔い続けた。
すこしずつ中へ入り込む指の関節が深まり、本来ならば押し出してしまいたい異物だというのに、大切に大切に抜け落ちないようにナギサは彼の指を締め付ける。
「きついな……。俺が入ったら、数分もつかどうか自信がねぇな」
いつの間にか雅紀の長い指を根元まで咥え込んだナギサは蕩けた瞳で雅紀を見つめた。
欲しい、欲しい。
最後まで繋がりたい。
雅紀とひとつになって溶け合いたい。
雅紀の頭のなかが自分だけでいっぱいになって欲しい。
自分の身体のなかだけに、欲望を永遠に注ぎ続けて──。
「さっき果てたときより、気持ちよさそうな顔しているなぁ。ここが良いのか?」
腹側の内壁を指の腹で押されると脳が痺れるような鋭い快感が起こった。
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