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第36話 運命 ※R18

 バリヤの部屋、巡とバリヤがかつて共に寝たベッドで二人は抱き合った。   「それでもいい」  唐突に言い出したバリヤに巡は聞き返す。 「何がですか」 「ひな鳥が初めて見たものを親と思うのと同じだと言っただろう。  それでもいい。  俺はメグルと巡り合って初めて快楽を知って、人間を好きになって……その相手がメグルだったことが、そういう運命だったということだろう。  他の奴がメグルになり得た可能性はあった、でもメグルが来た。だからメグルが良い。  初めての感情が偶然のものだったとしても。メグルだけでいい」 「……本当にそれでいいんですか」 「ああ」  バリヤは迷いなく返事した。    神官のローブをバリヤが脱がす。 「魔力を、くれ」 「はい」  巡は自分の魔力が身体を巡るのを意識しながら、スラックスの隙間から侵入してくる掌に魔力を流し込んでいく。 「あ、そこは」  スラックスの前を寛げ、バリヤが巡の性器をそっと握りこむ。    まだ萎えたままのそれを扱きながらもう片方の掌がするすると身体を滑り、胸の突起を引っ掻いた。  立ち上がった突起を振れるか触れないかの所で胸を掌がぐっぐっと撫でまわす。    半勃ちになった巡の性器を扱いたまま、胸を撫でていた掌は尻へと降りていく。    柔らかくもない巡の尻を掌は揉みしだき、間の割れ目へトントンと指が突いた。   「ちょっ……と!まっ……」  ヌルンと何かが尻の穴の中へ侵入してくる。   「安心しろ、スライムだ」 「ひっ……」  片手だけスライムに化けたバリヤがぐにゃんと尻の中で暴れる。    「メグル、魔力」 「あっ……あっ……」  バリトンのバリヤの声に囁かれ、必死で魔力をバリヤに送り込んでいく。  全身をぴったりとくっつけたまま、バリヤは器用に行為を続けていく。  魔力が全身のくっついているところからブワッと移動していく。身体全体で魔力を送り込んでいく。  前も後ろも責められ、引っ付いた身体が湿った温度を伝って心地よい快楽に突き落とされていく。   「噛むぞ」 「っ……」  ガブリ。  喉仏を噛み喰うように首に噛みつかれる。    痛みと共に支配されるような感覚に酔いしれる。   「メグル、もういい。魔力は十分だ」 「はっ……あ……」  今度は両手ともスライムに変わる。    気持ちのいい温感スライムに性器を包まれ、扱かれ、後ろも責められて巡は果てた。   「は……はっあ……」    バリヤの両手が人間のものに変わる。  片手には巡の精液がどろりと垂れていた。    額に汗を伝わせながら、バリヤは巡の額とこつんと合わせた。   「気持ちよかったか」 「……はい」 「よかった」 「あっ……後ろ、抜いてくださ……」 「ああ」  言いながら、バリヤが激しく指を抜き差しする。  スライムのヌルヌルが残ったまま、指が良いところを何度も責める。  巡は性器を震わせながら再度果てた。  腹にぴゅぴゅっと精液が飛び散った。  それをバリヤが撫ぜ巡の肌に馴染ませる。   「メグル」  バリヤの顔を見上げた巡の額に、チュッとバリヤがキスをした。    そのまま瞼、頬、肩、胸、へそへとキスを落とし、片足の太ももを持ち上げて上がった足先にもキスをした。   「俺も、気持ちよかった。一緒だ」 「……ふはは」  一緒だ、と幼い好意を示すバリヤに思わず笑ってしまう。   「魔力はいっぱいになりましたか?」 「ああ。魔力暴走ギリギリだ。明日の試合で使い放題だ」 「それはよかったです」  気持ちが無ければこんなに快楽の伴う行為をするのは嫌だった。  それでも、始める前のバリヤの独白を聞いて、これもいいかもしれないと思った。    このスライムは、刷り込みでもなんでも、本当に自分のことを好きになったのだろう。  それを信じる気になった。   「バリヤさん」 「なんだ」 「勝ってくださいね」 「ああ」 「アノマさんが勝っても、俺、文句言いませんよ」 「どっちだ」 「どっちでも後悔しません」 「絶対に勝つ」  バリヤは巡とまたこつんと額を合わせた。

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