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第31話
一通り話を終えた後で、花沢さんはお酒とおつまみを出してくれた。
東城が買ってきた日本酒もあける。こちらは辛口で冷で飲むと旨い。
今回の件やそれ以外のことをとりとめもなく話していたら夜が遅くなった。ほんの少しだが、花沢さんの詩吟も拝聴するはめになった。
そろそろ帰ろうかというと、花沢さんが泊まっていけと言う。
「ふとんなら売るほどあるからさ、部屋も子供が独立してもういないから空いてるし」という。
「明日の朝、『アザミ』でモーニング食べよう。早くからやってるからさ」と熱心に誘われた。
そして、全員、花沢さんがさかんに泊まれ泊まれというので帰りにくく、泊めてもらった。
奥さんがいなくてさびしくて誘うのだろうとやや同情もしてしまったのだ。
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