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第33話
そして、翌朝、花沢さんの勧めどおり、『アザミ』でみんなでモーニングを食べた。
広瀬のコーヒーカップは相変わらずひらひらしている高級ブランドタイプだ。今度のは、レースのようなふちどりだった。
鈴野と宮田のは、最初からはすこしましになり、こげ茶色のおおぶりなカップだ。
宮田は東城のカップをみて首をかしげた。
『アザミ』のロゴ入りのマグカップだったのだ。初めて見るタイプだ。黒くてどっしりしていて、入っているコーヒーの量は多そうだ。
これがどのような『身分』をあらわしているのか、宮田にはわからなかった。ロゴ入りというところになにやら深い意味がありそうだ。
東城は昨夜のやりとりなどすっかり忘れているのだろう、なんの反応もなくコーヒーを飲んでいた。
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