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第14話*
「……ぇ、……ぁ、れ?しげる、さん……じゃ、ない……ぇ?え……ハル……くん?」
さっきまで快楽と熱に囚われ、虚ろだった目に徐々に光が戻って来る。
意識が混濁していたから俺を受け入れようとしてくれていたミツ。
あのクズと勘違いしてくれていたから、俺に身を委ねていたミツ。
ミツの顔が見る見るうちに青褪 めていき、ガタガタと震え出す。
「ごめ、なさっ……ごめん、なさぃっ」
爪が剥がれた手で自身の頬をガリガリと掻きむしり、涙を流す彼の姿に胸が抉られる。
「ごめっ……ミツ、俺が……俺じゃ、やっぱり嫌なんだよな……」
これ以上自身を自傷して欲しくなくて、ミツの手首を掴んで制止する。
「……頼むから、これ以上傷を増やさないでくれ……」
俺のせいでミツが壊れる。
俺のせいで……
ポロポロと涙を流しながらも俺を見てくるミツに向かって泣き出しそうな笑みを浮かべる。
「……悪い。濡れタオル、持ってくるな……。ホント、ごめん。もう何もしないから……タオル持って来たら、リビングにいる。心配だから、それだけは許して欲しい……」
怯えた様子のミツを見て、自分がとんでもないことをやらかしてしまったのだと自覚する。
ミツに許しを乞うように言葉を紡ぎ、これ以上怖がらせないために立ち上がって離れようとする。
「すぐ、林田を呼ぶ。彼女なら……」
部屋から出て行こうとした瞬間、ワイシャツの裾をキュッと引かれ、驚いて振り返る。
「……や、だ……やだ、やだっ……ハルくん、おいてか……ないで……」
ボロボロ涙を流しながら、イヤイヤと頭を左右に振って泣き出すミツ。
俺が側に居ても、拒絶反応が出てしまうだけなのに……
ミツは、俺の服の裾をギュッと握り締めて離さなかった。
「おねがい、します……お願い、たすけて……ハル、く……僕のこと、抱いて……ぐちゃぐちゃに、して……」
涙ながらに訴えてくるミツを俺は拒絶することなんて出来なかった。
今にも壊れそうな初恋の相手をそのままになんてできなかった。
力を込めれば手折れそうな細く小さな身体を抱き締める。
「……も、ひとりは……ゃだ、よぉ……」
絞り出すようにか細い声で言われた願いを叶えるべく、ミツの目元に優しく唇を落とす。
「ミツ、ごめん。俺のこと……恨んでいいから。俺が……俺が、無理矢理ミツを抱くんだ。だから、ミツは一切悪くない。悪いのは俺で、恨むなら、俺を恨んで……」
謝罪の言葉を何度も口にしながら、ミツに口付けをする。
「……ハル、くん」
キスをする度、うなじ付けられたアイツの証 が痛むのか、表情を歪めるミツ。
番を持ったΩが番 以外のαに抱かれる時、拒絶反応は当然出るだろう。
どんなに不快なのか、どれだけ苦痛なのか、俺には理解できない。
本当なら今すぐやめてやる方がミツの為だとわかってる。
「……ハルくん、勃ってる」
急にミツがズボン越しに俺の股間に触れてきたから、ビクッと肩が跳ねる。
ミツの身体を解している時から、俺のペニスは痛いくらい勃起していた。
愛しいΩのフェロモンを感じ、裸体を見て反応しない男はいないと思う。
「よかったぁ……ハルくん、僕のこと……抱いて、くださぃ」
ミツから求めるようにキスをされ、身体を求められる。
ミツのトロトロに蕩けたアナルに、自身の勃起したペニスの先端を当てがいゆっくりと沈めていく。
アナルは最初、拒絶するようにギュッと閉じていたが、胸の突起を親指の腹で押し潰すように愛撫すると身体の力が抜けたのがわかる。
「ひゃっ、んぅっ……ぁっ、ィタっ……」
ミツのナカは濡れているのに俺を拒絶するようにギュウギュウと締め付け、奥に侵入してくるのを拒んでいる。
「くっ……ミツ、大丈夫だから……」
身体の力を抜いてやろうと、ミツのペニスを手で優しく扱きあげる。
先走りを垂れ流す先端を親指の腹でいじめ、手を上下に動かして快楽を高めていく。
「ふぁっ……ぁっ、あっ……」
ミツが甘い声を漏らし出すと、ナカに挿入していたペニスが動かしやすくなった。
自分の欲望よりも、ミツが快楽に溺れられるように……
ゆっくり抜き差しを繰り返してやる。
「んぁっ、あぁ!……っ!も、とぉ……ひゃうっ!」
奥を擦り付けるように突くと、ミツは呆気なく手の中で震えながら射精していた。
「ミツ、可愛い。ミツ、ミツ……愛してるから……」
射精したばかりなのに、萎えることなくまた緩く勃起しているミツのペニスが可愛くて仕方ない。
擦る度に精を吐き出し、ナカがビクビクと痙攣する。
ナカにあるふっくらした前立腺をペニスで擦ってやると、プシュッと潮を噴き出した。
「――ッ!ひっ、ぁっ……アッ!ァッ」
潮と精液を吐き出し、甘い声を上げるミツが可愛すぎて虐めたくなる。
鈴口をワザと爪先で抉るように弄り、腰を打ち付ける力を強めてやる。
「ッ!?ふゃ、イタッ……ァッ!アッ……きもちぃ……もっと、もっとぉ……」
自ら腰を揺らし、俺に脚を絡みつかせてくるミツ。
もっとと強請られるたびに、ミツをもっと虐めたい。俺だけを求めさせたい。と、加虐心が芽生えそうになる。
腰を打ち付けるたびに揺れるぷっくり膨れた乳首が美味しそうで、ワザと歯を立てて噛み付くと甘い嬌声が上がる。
「ひっ!ひゃあぁっ!あぁっんぅ……」
ナカをぎゅうぅっと締め付けられ、外に出すつもりが我慢できなかった。
軽く呻くと同時にミツの奥深くに熱い精液を吐き出す。
「ひぁああぁっ!」
背を弓形に反らしながら潮を噴いて絶頂するミツが愛しくて堪らない。
ぐったりと力なく倒れ、ピクピクと痙攣しているミツの姿を目の当たりし、自分の欲が抑えられない。
「はぁ、はぁ……ミツ、ミツ。まだ、欲しい?ココ、もっとってヒクついてる」
抜けて欲しくないといいように絡み付いてくるアナルからワザとペニスを引き抜く。
物欲し気にヒクヒクとヒクつくアナルからは、さっき俺が出してしまった精液がとろぉっと溢れ出してきた。
「ミツ、イヤらしいなぁ……」
さっき出したばかりだというのに、ずっと勃起が収まらない。
早くまたミツのナカに挿りたくて、溢れ出た精液を塗り込むように先端でミツのアナルを撫でる。
「ミツ、挿れても、いい……?」
意地悪するようにミツに問い掛けると、耳まで真っ赤になりながらもコクンと静かに頷いて抱き付いてくれた。
「……ミツ、次はこっちから、な」
ミツを抱き上げ、俺に背を預けさせるように座らせる。
ズブズブと背後から挿入する体勢のせいか、ミツの自重でさっきよりも深く繋がっていく。
「ふぁっ……ァッ、アッ……だ、め……これ、ふ……かい」
逃げようとするミツの腰を掴み、逃がさないように腰を突き上げる。
「ひゃあっ!」
結腸口まで一気に深く繋がったせいで、小さく震えるミツのうなじに付けられたアイツの歯形が見えてしまう。
「……コレさえ消えたら、いいのにな……」
怨みよりも哀しみの方が強い。
コレさえなければ……今すぐ、俺がミツを……
番 の歯型をワザと舐めてやると、ビクンッと身体を震わし、慌てて項を手で隠すミツ。
「い、いやっ……それ……みな、いで……」
振り返って俺を睨み付けてくるミツの目は涙で潤んでいた。
怒っているといいよりも、悲しんでいるように見えるミツの表情に違和感を感じる。
通常よりも薄くなっているように見える番 の印。
本来なら消えることなどない、番 の印である歯型が今にも消えそうな程薄くなっていることに気付いた。
「……ミツ」
下唇を噛み締めながら感情を抑えている彼に苛立ちを感じ、何度もうなじに口付けをし、奥を抉るように突き上げて犯す。
「ひぃあああっ!やぁっ!も、やらっ!でたかりゃ、も、でたかりゃっ!」
ナカに出した精液が泡立つほど激しく突き上げる度、ミツのペニスからほぼ透明な精液があふれ出した。
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