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第31話*
無我夢中で自慰に耽っていたせいで、部屋に人が入ってきたことに気付けなかった。
いきなりクローゼットの扉を開けられたせいで、暗かったクローゼット内に光が差し込まれる。
誰かがクローゼットの前に立っているのに、逆光になっているせいで顔を見ることができない。
でも、誰なのか……顔を見なくてもわかってしまう。
「ミツ?こんな所に隠れていたのか……。俺の服で上手に巣を作ってくれたんだな」
優しい声で愛しい人が僕のことを褒めてくれる。
シゲルさんとは違って、僕が作った巣を褒めてくれる。
「ハル……んっ、ふぁあぁっ!」
ハルくんと目が合った瞬間、全身を甘い電流が流れさっきまでイけなかったのに、軽く甘イキしてしまう。
ギュッと握り締めていたハルくんのワイシャツに僕の精液でシミができてしまった。
「……はぁっ、ァッ……ンッ……」
ビクビクと小刻みに痙攣しながらイッた快楽を堪える。
こんな姿、ハルくんに見られたくなかったのに……
「ミツ、俺に見つかっただけでイっちゃった?」
どこか嬉しそうなハルくんが、良い子というように、優しく頬を撫でてくれる。
たったこれだけなのに、ハルくんに触れられた場所が熱くてしかたない。
もっと、もっと……触れて欲しい。
「ハル、くん……ハルくん……」
縋り付くようにハルくんの首に腕を絡め、キスを強請る。
「ハル、くん……ごめ、なさぃ。服……ごめ、なさい……」
キスの合間に自分が散らかし、汚してしまった服のことを謝る。
こんな場所に巣を作ってしまったから、ハルくんの服を全部汚してしまった。
クローゼットの中でイッてしまったから、僕の汚いモノで汚してしまった。
フェロモンが溢れ出して止まらない。
ハルくんが欲しい。ハルくんに噛んでもらいたい。ハルくんに……全部支配されたい。
「ミツ、巣作りは愛情表現だろ?俺は、ミツの愛が嬉しいよ」
しがみついて離れない僕をそのまま優しく抱き上げてくれて、ベッドに連れて行ってくれる。
そのまま覆い被さるようにベッドに押し倒され、何度もキスをしてくれた。
「ミツ、愛してる。俺だけのΩになって欲しい。一生、愛してるから。もう、誰にも渡さないから……」
触れ合うだけの口付けが、舌を絡めながらの深いものに変わっていく。
ピチャピチャと濡れた音をワザと響かせ、耳まで音で犯されてる感覚に陥る。
「ふぁっ、ァッ……はりゅ、く」
僕が名前を呼んだ瞬間、ちょっと意地悪な笑みを浮かべながらハルくんの指が僕の胸に触れる。
ただそれだけなのに、電撃が走ったような快楽にビクッと震え、触ってもいないペニスから精液が飛び散り腹部を汚してしまう。
「ひゃうっ!ァッ……な、んで……イったのに、熱いの……止まらない」
ハルくんに触れられた所が全部熱く、もっと触って欲しくてたまらない。
もう待てないというようにハルくんのズボンを緩め、ペニスを取り出すと躊躇なく咥え舌と手を使って愛撫する。
「んぁっ……はぁ、ん……」
蕩け切った顔で彼のペニスに頬擦りし、雄臭い彼の匂いを鼻腔いっぱいに吸い込み、そのまま深く咥え込む。
ずっと欲しかったモノを口に咥えたせいか、お腹の奥が疼いて自然と腰が揺れてしまう。
「ふっ……ンッ」
舌先で裏筋を刺激するとさっきよりも硬く大きくなるのを口内で感じる。
全部を咥えたくて、喉奥まで咥えてみるも入りきらない。
苦しくて、顎がダルくて頬が引き攣ってしまって痛い。
でも、シゲルさんの時とは全然違う。
あの時は嫌でしかたなかった。
早く終わって欲しいって、願ってしまった。
今は、むしろもっと感じていたい。
ハルくんに喜んで貰いたい。
そして、早くお腹の奥をそれで犯して欲しい。
「くっ……ミツ、出るから……離してくれ」
ハルくんが感じてくれてるのが嬉しいけど、離すように頭を押さえられてしまい、しぶしぶ口に咥えていたペニスを名残惜しげに舌でゆっくり舐めながら離す。
「はぁ……ハルくん、コレ……早く挿れてくれる?僕のナカ……いっぱいに満たしてくれる?」
しっかり勃起したハルくんのペニスを見てうっとりしてしまう。
早くコレを挿れて欲しくて、ペニスに頬擦りしながらお願いした。
僕の卑猥な行動にハルくんがゴクリと喉を鳴らすのがわかった。
そのまま再度軽くキスをしてくれて、僕の蕩けたアナルにハルくんの熱くて太いモノが押し当てられ、ゆっくり挿ってくる。
馴染ませるように体重をかけて沈め、奥まで挿ってくるとギュッと強く抱きしめてくれた。
「はぁ……ミツ、熱いな。熱くて、溶けそうだ」
今まで感じた事もないくらいの圧迫感に、息も絶え絶えになってしまい返事をすることができない。
コクコクと首を縦に振って頷くことしかできなかった。
「ん……、ゆっくりするから……。辛かったら、言ってくれていいから……」
最初は慣らす様にゆっくり抜き差しを繰り返してくれる。
「ふぁっ、ァッ……ッ!」
もどかしいくらい優しい動きに無意識に腰が揺れてしまう。
気持ちいいけど、まだ足りない。
もっと、もっと……奥まで来て欲しい。
「ぁっ、ンンッ……ひゃあっ!」
ハルくんがフッと笑ったっ思った瞬間、ギリギリまで引き抜かれたと思ったら、一気に奥まで抉るように突かれてしまい、先端から白濁がピュッと吐き出される。
「ひゃあぁっ!?あっ、あぅ!ァッ、アッ……も、もっとぉ……」
奥を突かれる度に頭の中でパチパチと火花が飛び散る。
「ミツ……ミツっ……愛してる」
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