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6.
「大河様? どうされたのですか?」
「今度は御月堂さまから引き離したくなったんじゃないんですか?」
「その可能性はなきしもあらず、ですけど⋯⋯」
小口の言う通り、大河は姫宮を引き連れて御月堂から距離を取ろうとしているようだった。
まだこの年齢だと第二の性は分からないはず。けれども、この子なりに感じることがあるのかもしれない。
姫宮のことをソファに座らせた大河は、そのままよじ登ろうとするのを抱き上げ、膝に座らせた時、胸に顔を埋めた。
はっきりとしたことは分からないが、それでも大河がしたことに対して、「ありがとう」と頭を撫でていた。
「社長、そろそろ行かれた方がよろしいかと」
「次の予定なんてあったか?」
「ございます! 私の見間違いで大変申し訳ございません! 後で叱責なりなんなりお受け致しますから! とにかく行きましょう!」
「ま、待て、せめて愛賀に挨拶──」
「時間がありませんので!」
後ろが騒がしいと顔を向けていると、背中を無理やりにでも押しながら諸共出ていく姿が映った。
その突然の状況に安野達は呆然と見ている中、姫宮に挨拶をさせなかった松下が玲美と伶介に笑顔を見せていた。
「何だったのでしょうね」
「立場上忙しない方ですし、仕方ないことですけど」
安野達が言っている中、姫宮は恐らくこちらの状況を察したのかもしれない気遣いに心の中で感謝を述べていた。
ひとまずは呑まれずに済んだと安堵の息を吐いていた時、伶介が「あ! 『ハニワのだいこうしん!』のじかんだ!」と声を上げたことにより、玲美も入れてそれを観るのであった。
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