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それもあるかもしれないが、誕生日の時、急に膝の上に乗ってきたのは敵対視している御月堂がやってきたからかもしれない。 御月堂との関係は彼の身の上のこともあり、いくら関係がありそうでもそれ以上のことは言えず、そこまでに留めた。 「そうですね⋯⋯そうかもしれませんね。話せずともそのお母さんが大好きだって気持ちはこんなにも伝わってきますしね。こんなにも仲が良いところを見られて微笑ましい限りです」 ふふ、と笑う先生に姫宮も小さく笑い返した。 「大河君も大好きなママと一緒にいられて嬉しいね」 先生は変わらず話しかけてみるが、やはり大河は一瞥することなく顔を埋めているだけだった。 「先生と話すのは嫌だよね。ごめんね」 笑みを含んだ顔を今度は姫宮に見せた。 「姫宮さん、他に話すことがありますか?」 「あ、いえ、他に特には⋯⋯」 「そうですか。では、次来る日なのですが⋯⋯」 次の診察日を確認した後、先生は言った。 「初めて来た時よりも大河君に良い兆しが見られて、嬉しい限りです。今度お会いする間にどんな些細なことでもいいです。気になる点や悩み事がございましたら、どうぞ遠慮なく仰ってくださいね」 「はい。今日はありがとうございました」 「ええ。大河君もばいばいね」 大河に向かって軽く手を振るが、しがみついて首を横に振るだけで最後まで先生のことを見ようとしなかった。

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