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「たーちゃんあそびにきたよー!」 リビングにやってきた伶介が声を弾ませると、待っていた大河が駆け寄り、手を取り合っていた。 あれから数日が経った頃、誕生日会の時に連絡先を交換した玲美から『遊びに行ってもいいですか?』という旨のメッセージが送られてきた。 姫宮も玲美に会いたくはあったし、大河は大河で伶介と遊べることが何よりも嬉しいことだろう。 玲美に『いいですよ』と返信し、その連絡があった時「この日に伶介くんが来るよ」と告げると、驚いた顔を見せた後、嬉しそうに編みぐるみをぎゅっとして、その場をくるくる回っていた。 あの時のことを思い出しながら、「きょうはなにしてあそぼうか」と言う伶介にあいうえおボードを掲げてみせる大河とのやり取りを見て微笑んでいると、玲美がそばにやってきた。 「今日はありがとうございます」 「いえ、こちらこそ」 「姫宮さんに会えるのが嬉しくて、美味しいケーキを買ってきたんです」 その気持ちが滲み出ている笑顔を見せた玲美が手に持っていたケーキの箱を掲げてみせる。 「そこまでして頂いて。⋯⋯私は何も用意してなくて、すみません⋯⋯」 「そんなっ、いつもお邪魔しているのはこちらの方ですし、前に姫宮さんが作ったプリンのお礼とこのケーキを是非とも食べてもらいたいと思ったからですよ」 そんなお気になさらずに、と気遣う言葉を掛ける玲美に、「じゃあ、お言葉に甘えて」と返した。 「子ども達も一緒に⋯⋯と思いましたけど、遊びに夢中ですし、後にしましょうか」 小さく笑う玲美の視線の先を見ると、大河がボードを介して伶介と話している最中のようだった。 大河が何かを押してそれで話す度に、伶介が楽しそうな顔で応じている姿を見るとこっちまで楽しい気持ちになる。

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