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今でも家の事をしてもらって十分だというのに、そこまで甘えていられないが、心からそう思える彼女の気持ちに素直に感謝を述べたくなった。
小口の言う通りここで立ち止まっていても仕方ないし、さらに良くない印象を持たせてしまう。
だから、誠意を見せないと。
それにいつまでも不安な顔を見せていたら、大河が心配になってしまう。
そんなことをさせては可哀想だ。
だから、頑張らないと。
そう決意を胸に掲げた時、ぐぅうう⋯⋯と空腹を告げる音がした。
瞬間、顔が熱くなった。
「ふふ、お腹が空きました?」
「⋯⋯はい。そんな気分ではなかったんですけど⋯⋯」
「緊張が解れたってことでしょう。それはいいことですよ、大河さまにとっても」
抱きしめている我が子を見ると、じっと見つめてくる大河と目が合った。
心配だと言った時よりもどことなくホッとしている表情をしているように見えるのは、姫宮自身そういう心情があるからかもしれない。
「では早速食事の準備をしてまいりますので、その間、姫宮はお着替えしてください」
「はい⋯⋯」
先ほど同じく大河がてこでも動かなさそうにしている。が、小口が抱き上げた。
「ほら、姫宮さま早く」
「あ、はい」
促され、しかしとて大河のことを見ると腕の中で暴れることなく、ただじっとし、母親を見ていた。
憂いが晴れたから、大河自身も安心しているのかもしれない。
「大河、ちょっと待っててね」と告げて、自室へと向かったのであった。
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