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「ファミレスの時は発情期(ヒート)だけじゃなくて、マニュアルと違うオリジナリティ溢れる物を作ったり、今思えば俺の悪口を言ってたのかなぁ、人のやることなすこと笑っていたから「面白いことあっていいスっね」と返したら、多分その人達のミスしたのをまるで俺がやったみたいにチクられて、めちゃくちゃ怒られたな。あれは理不尽だとさすがに思ったけど、ま、俺よくやらかすから反論できないんだけど」 はは、と軽く笑った。 それから美澄は、コンビニの時は挨拶の仕方がなってないと怒られたり、客が買おうと思っていた揚げ物類がなかったことから揚げていたものの、買おうとしていた物とは違う物を揚げてしまい怒られた、と怒られエピソードを淡々と上げていった。 「色々と大変だったんですね⋯⋯?」 「そうなんだよぉ〜。俺なりに頑張ろうとしたんだけど、なかなか認めてもらえなくてさ。齟齬しまくってるよ〜。まぁ毎日のように徹夜しまくっているのも原因かもしれないけど」 きっとそれが大きな原因だと思う。 それを聞いてしまうと、擁護の前に同情もできないと思ってしまった。 「あぁ〜、一生親のスネをかじって、一生ゲームしていたいわ〜」 「⋯⋯親御さんいらっしゃるんですか?」 「うん、高校卒業後も変わらずにゲーム三昧していたら、堪忍袋の緒が切れた親に追い出された」 「えぇ⋯⋯」 「ヒドくない?」 「ええ、まあ⋯⋯」 「お年玉もとっくに使い果たしていたし、無一文で寝床もないルナティックモードを何とかスキマバイトでどうにかこうにか凌いたんだけどね」 人生はイージーモードでは行かないよね〜と呑気な口調で笑っていた。 親と第二の性のことで嫌悪な雰囲気にならずだが、それはそれで大変そうだ。

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