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「昨日、子どもの写真を見ていたでしょ。あれは誰が撮ったの?」 「一応私です⋯⋯」 「あるじゃん。写真撮るの趣味でしょ」 「ですが、そんなに撮ってないのです」 「でも、それで満たされているのなら趣味って言えると思うんだけど。写真撮るの好きなんでしょ」 「はい、好きですけど⋯⋯」 「じゃあそれでいいんだよ」 なんてことないといった調子で言った。 「ものすごく極めていたらオタクと呼ぶレベルだし、職業にしている人もいるけど、そこまでの境地に至るほどでもないけど、少しでも好きだと思えるものなら趣味って呼べるんだよ。写真見て楽しそうにしていたじゃん。難しく考えるほどでもないよ、気楽に考えなって」 代理出産を通じて知らなかったことを知り、それに興味を持ってしていたことがあった。 しかし何が楽しいのか分からなくなり、そのうちそれをすることもなくなった。 だから、自分が何が好きなのか分からなくなっていた。 そんな姫宮に淡々とした口調で美澄が教えてくれた。 楽しく思えて、気楽に考えて。 「⋯⋯私、編みぐるみを作るのも趣味で」 「ほ? 編みぐるみを?」 「はい。大河がハニワが大好きで」 「それってあのゲームの影響?」 「ゲーム⋯⋯? いえ、教育番組でやっている『ハニワのだいこうしん!』というもので⋯⋯」 「へー、そんなのをやっているんだ」 淡白そうな返事でありながらも、しっかりと聞いてくれる美澄に姫宮はぽつぽつと趣味について話し出していた。 話すのは苦手だが、この時ばかりは楽しく感じられるものだった。

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