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すぐに既読が付いた。だが、返事がこない。
内容は見たが、急に用事が出来てしまったのだろうか。
夜も遅いが、御月堂は限らず忙しいのだろうか。
そんな時に返信してしまって申し訳なく思った姫宮は、『返信してしまってすみません』と打とうとした時。
『そうか。そんな偶然があるとはな。嬉しく思う』
嬉しく思う。
その文が浮かび、目の前に見せつけているかのようにやけに目についた。
ついさっきの申し訳なさが一気に吹き飛び、姫宮もまたその気持ちに満たされていた。
そして、『私も嬉しいです』と返信した。
『愛賀は何をしている』
少しの間の後、御月堂から送られてきた。
『お風呂から上がってゆっくりしてます』
返信したが、またしてもすぐに来ない。
タイミングが悪かったのか、それともこちらから何か送るべきかと思った姫宮は『慶様の方は何をなさっているのですか?』と送った。
『仕事をしている』
今度はすぐに来たメッセージに、しかしやはりこんな時間まで仕事をしているのだと思った。
償いのためにすることとなった治験は全然忙しいとは思えないもので、それと比べるとちょっとやそっとで音を上げるわけにはいかないと思った。
こんな時間まで忙しくしている彼にやり取りする時間を取らせるわけにはいかないと思い、『お忙しい中申し訳ございません。お疲れ様でした』と打っている最中だった。
軽快な呼び出し音と共に発信者の画面に切り替わった。
突如の出来事に一瞬、何が起きたのかと硬直していたものの、相手の名前を見た時、どうしてと疑問に思いつつ、応対ボタンを押した。
『今、時間は大丈夫か』
「はい⋯⋯大丈夫ですけど⋯⋯」
仕事中だと言っていた御月堂の方が時間は大丈夫なのかと、そんな気持ちが現れた声音で返した。
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