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「一応、用意はできましたが⋯⋯」
「ちなみになんですか?」
「ハニワのボードゲームですね」
「ハニワのボードゲーム⋯⋯?」
疑問符を浮かべる玲美に携帯端末で検索した画面を見せた。
「へぇ⋯⋯こういうのがあるんですね⋯⋯」
「あるみたいです」
それはサイコロで振った目の数で、ハニワの形をした駒を積み上げていくといういたってシンプルなものだった。
これなら大河の年齢でも楽しめるし、伶介を始め、他の人達としても楽しいかもしれないと思ったからだ。
「これは大河君も喜ぶと思いますよ」
「そうだといいのですが⋯⋯」
「それにだって、伶介と一緒に遊べますし、大河君が良ければ一緒に遊べたらと思います」
明日が楽しみです、と今からうきうきと楽しそうにしていた。
きっと明日枕元に置かれているプレゼントを見て、はしゃぐ二人の姿を思い浮かべているのだろう。
それは姫宮も用意して良かったと思える光景だ。
「あ、そういえば。伶介が大河君にクリスマスプレゼントを用意しているらしいんですよ」
「え、そうなのですか?」
「伶介が幼稚園に行っている間、部屋を訪れたら机に紙で赤い靴下を作ったものだったり、『たーちゃん メリークリスマス』とメッセージを書いた紙があって。本人的には私にも内緒にしているつもりで、私の前でもそのような話は一切してないのですけど」
あれで隠しているつもりなのかなと思い出し笑いをしているようで、玲美はくすくすと笑っていた。
伶介なりに考えて大河のために用意したお手製のクリスマスプレゼント。
それはきっとどんなものであれ、大河は喜んでくれるはず。
「大河のためにありがとうございます。伶介くんは本当に優しいですよね」
「本当にそうですよね⋯⋯! そこまで大河君のことを想ってくれているなんて! 大河君と会えて本当に嬉しいです! 本当に大河君を産んでくれてありがとうございます!」
手を取って、頬を赤く染めた玲美が感極まっているのか目を潤ませた。
突然のことに困惑してしまった姫宮は、「え、ええ⋯⋯はい」としか返せなかった。
しかし、利用されるために産まれた大河の存在が認められたようで嬉しく感じたのもあった。
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