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106.
「今度は嬉しそうな顔をしますね」
ふふ、と微笑ましげに笑う玲美に恥ずかしい意味で頬がさらに赤くなった。
「やり取りした時に何か嬉しいことがあったのですね?」
「あ、はい⋯⋯」
「ふふ、そうですか。それは良かったですね」
それが何なのか理由を訊いてきたわけでもないが、姫宮が思わず笑みを零しているところを見て、自分のことのように嬉しそうにしているといったところだろう。
その表情を見て、姫宮もまた同じような顔をしていた。
「あれからお会いに?」
「いえ⋯⋯ですが、近いうちに来ると仰ってました」
「そうですか。楽しみですね」
「はい」
玲美にそう言われたら、ますます会うのが楽しみになっている。
同時になるべく大河と接触しないよう心掛けないと。
「ままー、これどれだとおもう?」
「ん? どれどれ⋯⋯」
伶介が持っているピースを手に取って、合わさったピースに照らし合わせる。
「んー⋯⋯、どれだろう⋯⋯」
松下親子が真剣な様子で探し始めていた。
「ま⋯⋯っ」
そんな時、大河が1ピースを差し出してきた。
「大河もこのピースがどこか分からないの?」
うん、と頷く。
大河達の年齢でも分かりやすく、大きくてピースの数が少ないものではあるが、ほぼ茶色であるパズルは意外と難しい。
大河と「どこだろうね」と探した。
二人が合わさったピースはどこも当てはまらなかったが、大河が探しているピースならどうかと当ててみるが、このピースでもなさそうだ。
どこだろうか。
その周りで散らばっているピースの方に向ける。
「大河、このピースはどう?」
手に取ったピースに持っていたピースを合わせてみる。
すると、ぴったりと合わさったのだ。
「このピースはこっちのものだったんだね。あって良かったね」
うんと頷いた大河は嬉しそうな顔を向ける。
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