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108.
途中から撮影会と呼べるものとなり、気が済んだ後、中途半端になっていたパズルに再度取り掛かっていると、夕暮れが迫っていた。
同時に玲美が帰る時間だ。
「姫宮さん、今日は本当にありがとうございました。楽しかったです」
「私も松下さんに会えて嬉しかったです」
「ふふ。そのようなことを言って頂けるなんてとても嬉しいです。では、伶介をお願いします。伶介、姫宮さんの言うことを聞くのよ?」
「はあい!」
「大河君もまたね」
伶介は元気よく手を上げ、大河は手を振ってくる玲美を振り返っていた。
「では、明日の朝来ますね」と言って、玄関を潜る玲美に「ばいばい、またあした!」と手を振る伶介に、姫宮は頭を下げた。
完全に姿が見えなくなった後、伶介が口を開いた。
「じゃあ、ぱずるのつづきしよ! あとあたまのてっぺんだからね! かんせいさせよっ!」
うん、と頷いた大河もやる気満々な目をちらりと覗かせて、二人は慌ただしくリビングの方へ戻っていった。
忙しない子達、とくすりと笑いつつ、姫宮はゆっくりとした足取りでその後を追った。
リビングに戻ると宣言通り二人は完成目前の立体パズルに向かっていた。
その様子を隣に座って見守る。
「あとこのふたつ⋯⋯」
そのうちの一つを渡した伶介は、「せーの」と掛け声と共に合わさったパズルにはめようとするのを、そのことが分からないながらも伶介の真似をし、一拍遅れて空いた箇所にはめた。
「わぁ〜! かんせい〜!」
ぱちぱちと頬を紅潮させ、目を輝かせた伶介は盛大な拍手をしていた。
大河も倣って、控えめに拍手をしている。
「完成したね」
「はいっ!」
満面な笑みを見せる伶介に、大河も嬉しそうにうんうんと頷いていた。
ぴったりとはまったピースを崩さないよう慎重に塗り、改めて完成したそれを中央にそれを挟むように二人がこちらにピースをしてくる。
手に取った携帯端末を二人に向けた。
「じゃあ、二人とも撮るね。はい、チーズ」
カシャ、と小さな音を立て、二人で一生懸命作ったパズル完成記念の瞬間を撮った。
最後まで見届けられなかった玲美にその写真を、早速送った。
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