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111.
風呂から上がった大河と伶介は揃って、大河の部屋で遊んでいると小口が言ってきた。
ちなみに小口は二人の邪魔になるからと、客室に寝に行った。
今頃、楽しんでいるのだろう。
二人が仲良く楽しんでいることは何よりだ。こっちまで嬉しくなるのだから。とはいえ、いつまでもはしゃいでいられると、枕元に置きに行けない。
用意しているプレゼントが恐らく見つからないであろう自室に置いてあることを頭に浮かべていた。
ちなみに玲美から託された分もある。
どうしたものか。
暇潰しにと番組を眺めていたが、段々声が遠くに聞こえてくる。
瞼も重くなってくる。
自分が先に眠ってしまいそうになる。
「姫宮様、このようなところで寝てしまいましたら風邪を引かれますよ。ベッドでお眠りください」
ハッと、一瞬で目が覚めた姫宮は顔を上げると安野と目があった。
「⋯⋯ですけど⋯⋯プレゼントを⋯⋯」
「自らそうしたい気持ちは分かります。ですが、今回は私がその役目を引き受けます。ですので姫宮様はおやすみ──」
来客を告げるチャイムが鳴った。
「こんな夜更けにどなたが⋯⋯?」と言う安野と目が合ったものの、インターホンを見に行った安野が「姫宮様、お待ちください」と笑みを浮かべた。
自分に用? 誰だろう。
再び眠りにつきそうな頭でぼんやりと考えていた。
「愛賀」
ピクリと反応した。
振り返るとそこには、会いたくてたまらなかった人の姿があった。
「慶、様⋯⋯?」
近いうちに来るとはいえ、改めて来ることを事前に連絡してくるはずだ。
その連絡が来ていたことに気づかなかったか。
「夜分遅くにすまない。この時間しか来れなくてな」
隣いいか、と言う御月堂に呆然としつつ頷く。
「姫宮様、お部屋失礼しますね」
「あ、はい⋯⋯」
「御月堂様、ごゆっくりと」
「ああ」
軽く一礼し、リビングから去る安野を申し訳なさそうな顔で見つめていた。
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