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122.※自慰

「慶様⋯⋯」 ──愛賀。 「慶様⋯⋯」 ──愛賀。 低くも優しい声音で呼んでくるのが好き。 ただの名前であるはずなのに、呼ばれたことで意味のあるものとなり、自分の名前が好きになる。 呼んで欲しい。 ただ呼んで欲しい。 触れられたい。撫でて欲しい。 抱きしめて欲しい。温もりが欲しい。 「慶様⋯⋯っ」 ぶるっと肌が粟立つ。 全身が欲しがっているように呼応する。 1ヶ月前に会ったのにまた会いたくなってしまうなんて。 だが、立場上なかなか会えないことは当たり前なのだ。それに慣れないと。この服の匂いで我慢しないと。 でも、愛している人の服で作った巣作りを見て欲しい。褒めて欲しい。 ドクンッと鼓動が高鳴る。 下腹部に兆しが現れている。 我慢できない。 こんなことで下腹部を昂らせるなんて、と思いながらも急いでズボンを下ろすと、昂りが顔を覗かせた。 それは蜜に溢れ、纏わせていた。 迷わず握り、びくっと反応するそれをためらいもせず、蜜を手に纏わせ、急かすように手を動かす。 「は⋯⋯けい、さま⋯⋯けい⋯さま⋯ぁ⋯」 くちゅくちゅと卑猥な水音を立て、そそり立つ粗末なモノの興奮を高める。 「はあ⋯⋯ぁ、けい⋯⋯さま⋯⋯」 愛しき者の名を呼んでいるからか、強く扱いているからか、ビクンビクッと小刻みに脈打つ。 欲しい。 好きだとこの胸にいっぱいになるぐらい言って欲しい。 それから交わってないはずの彼の雄々しいものでこの身体を満たして欲しい。 「欲し⋯⋯ほし⋯⋯けいさま⋯⋯っ」 興奮が高まり、蜜が溢れに溢れ、手から零れ落ち、されど気にすることなく手を速める。

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