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この時間帯であればすぐに見るはずだ。
その読み通りに安野が見ているサインの『既読』が付いた。
が、すぐに返信が来ない。
内容が内容だからかもしれないが、何より何故、御月堂がその旨を知っているのかと理解が及ばないのかもしれない。
『既読』の文字を見た後、その目を眠る愛賀に向けた。
汗のせいか髪が濡れ、眉を潜め、はっはっと短く息を吐いて苦しそうにしていた。
汗をかいているのは身体の内の熱を放出しているからいい証拠かもしれないが、こんなにもかいていたらぶり返してしまうだろう。
張り付く髪を指で払い、何か拭くものはないかと辺りを見回していると、一旦布団の上に置いていた携帯端末が震える。
相手は安野からだ。
これはまた丁重で長文の謝罪が来て、それを早々と読み進めていくと、こんな文があった。
『今回の責任は私にあります。処罰は辞職の形以外で受けます』
通常であれば辞職という形で処罰を受ける。だが、その形にしてしまうと愛賀がさらに自分を責めることになると踏んでそういう結論に至ったのだろう。
自分よりも愛賀と共にいるからよく分かっている。
しかしとて、安野に処罰を与えるのもおかしな話だと思った。
元はといえば、あの会長が勝手な真似をしたから愛賀が今苦しい思いをしている。まるで愛賀がこうなってしまったのも自分の責任だと思い、罰を受けるのが自然の摂理だといっている。
百歩譲って、処罰を受けさせる対象といえば、袋田に頼まず愛賀自ら外に行かせたことだ。
確認のためにそのことはどうなのかと送ってみると、数分経った後に返信が来た。
『袋田さんに送迎を頼むと御月堂様に報告がいくことを存じておりましたので、姫宮様ご自身で行って貰ってました。ですが、やはり不安でしたので、その日休みの人や手が空いている人に気づかれないようについて行って貰ってました』
袋田の送迎の報告の際もいつもより病院から帰ってくるのが遅く、落ち着かなかったけど無事に帰ってきて安堵しているという旨があった。
やはり安野も心配でどうにか自分なりに考えたのだろう。
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