34 / 44

✦Ⅳ章✦ 薔薇は檻の外で咲く

かつて名家に生まれながら、その家に“存在すらなかったこと”にされた青年・ルイ。 ある夜、白薔薇を手に告発を始めた彼の行動は、血と契約に縛られた一族の沈黙を打ち破り、 やがて“記憶”と“愛”の再定義へと向かっていく。 兄との再会。仮面の男との対話。仲間たちのまなざし。 赦すこと、信じること、選ぶこと── それは「誰かのため」ではなく、「自分自身で生きる」ための決断だった。 檻は、外から閉じられたものではなかった。 鍵は、ずっと自分の手の中にあったのだ。 静かで強い選択の積み重ねが、ルイにやがて“居場所”をつくっていく。 そこは、過去を葬る場所ではなく、未来を始める場所。 「愛されたかった」という痛みを越えて、 「それでも、愛することを選ぶ」人々の再生の記録。 ついに最終章!

ともだちにシェアしよう!