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「そこで、日常生活の動画配信の出番だよ。あの『桐生 隼人』の、私生活。みんな、興味津々で視聴するよ!?」
「もちろん、マンションから身の回りの生活用品まで、全て一般市民の身の丈に併せた。手を伸ばせば届く位置まで、桐生さんに下りてきてもらう」
「そして、隼人さんが使ってる商品、欲しくなってもらえればありがたい、って話!」
「事務所と取引のあるスポンサー企業の製品だから、売り上げが伸びれば喜ばれるんだ」
比呂と笹山、二人の圧力に隼人は負けた。
「解った……。頑張ります……」
引っ越し祝いに寿司を届けさせる、と言い、笹山は満面の笑みでマンションから去って行った。
残された隼人は、三日前の深夜のように、ソファに深く身を預けた。
「はぁ……」
溜息が、自然に吐かれてしまう。
そんな隼人の鼻を、香ばしい匂いがくすぐった。
香りの方へ顔を向けると、キッチンから比呂がマグカップを手に歩いてきたところだ。
「まぁ、そう深刻にならないで」
そんな慰めと共に、熱いコーヒーの入ったマグを、隼人に渡してくれた。
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