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 隼人の淹れたコーヒーを飲み、比呂が作ったパウンドケーキを味わう。  二人はまるで恋人同士のように寄り添い、温かな時間を楽しんだ。 「比呂くんは、本当に料理が上手だな。ケーキ、美味しかったよ」 「また、何か作るね!」  元気な比呂の返事に、隼人は優しく髪を撫でる。  その慈しみ深い仕草に、比呂は一気にのぼせ上ってしまった。 「ね、ね、隼人さん。僕、隼人さんのこと大好き!」 「良かった。私も、比呂くんのことが好きだよ」 「ホント!?」 「ああ、好きだ」  そうでなければ、一緒に住んだりしない。  こんな隼人の言葉に、比呂は思わず彼の腕を取った。 「そしたら、さ。キス、とか、してくれる?」 「えぇ? キス?」  一瞬ためらった隼人だったが、瞳を輝かせて見つめてくる比呂に、心がほどけた。 (まぁ、いいか。これは、夢なんだし)  隼人は比呂にそっと顔を近づけ、ゆっくりと口づけた。  柔らかく唇を食み、軽く舌で舐める。  咥内を蹂躙することはせず、ただ優しい、品の良いキスをした。

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