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 すらりと長身の、理知的な顔立ちをした青年もまた、隼人に名刺を渡して挨拶した。 「吉永 紫織(よしなが しおり)です。今後とも、よろしくお願い致します」 「桐生 隼人です」  年齢は、おそらく隼人より若い。  それでも彼には、その若さに似合わない落ち着きがあった。  少し長めの、ミディアムスタイルの髪は、シャイニーウェーブ。  今風のヘアアレンジだが、額を広く見せているので、大人っぽい印象だ。  一重瞼の目はやや細く、鼻梁は高く、唇の形は良い。  ただ彼は、全体的に肉付きが薄く、シャープなイメージを醸していた。 「桐生さん、どうぞお掛けになってください」  隼人にソファを勧めながら、本多は紫織について説明をした。 「吉永は、まだ新人ライターでして。勉強のために同席させようと考えたんですが、承諾していただけますか?」 「構いませんよ、どうぞ」  快い隼人の返事に、本多は喜んだ。 (さすが、桐生 隼人だ。心が広いし、物腰が柔らかだ)  だからこそ、吉永の勉強に当てたのだが。  気難しく厳しい芸能人ならば、そんなことは聞いていない、と怒り出すところだ。  和やかな空気の中、隼人への取材は始まった。

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