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『桐生さんは今年で、芸能生活25周年を迎えますね。どんな、お気持ちですか?』 『今までで、印象的だった仕事は何でしょう?』 『これからの歩みへの、抱負はありますか?』  こういった本多からの質問は、事前に知らされていたこともあり、隼人は難なく答えていった。  言葉を選び、ていねいに。  自分を取り巻く人々への、感謝の念を忘れずに。  隼人は、心を込めて語った。  そんな彼に対して、本多はさらに好感度を上げていた。 「さすが、桐生さんですね。おごり高ぶったところが、まるで無い」 「私がここまで来られたのは、ひとえに周囲の方々のおかげですから」  本当に、感謝しています、と謙虚な隼人だ。  そこへ突然、異質な言葉が投げられた。 「相変わらずの、優等生ですね。『桐生 隼人』は、良い人過ぎて面白みがありませんよ」  同席している若手ライター・紫織の、無作法な発言だった。

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