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第十九章 寝坊しちゃったよ!
「寝坊した……!」
ソファの上で、隼人が掛けてくれたであろう毛布に突っ伏し、比呂は唸った。
朝6時からのニュース番組に出演する隼人のために、張り切って早起きしようと思っていたのに!
(僕、バスルームで隼人さんとエッチして。そしてその後、眠っちゃったんだ!)
隼人さんが、体を拭いてくれて。
隼人さんが、パジャマを着せてくれて。
隼人さんが、髪を乾かしてくれて。
そして、朝食の用意までしてくれてる!
「あぁ! 馬鹿ばか、僕のバカ!」
「自分がバカであることに、いまごろ気づいたのか? おめでたい奴だな」
呆れたような紫織の声に、比呂は怒鳴った。
「うるさいよ! 大体、いつまでここに居るつもり? 目が覚めたら、もう帰れば!?」
「お前は、いつ帰るんだ?」
「僕は!」
その先を言いかけて、比呂は口をつぐんだ。
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