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第二十一章 吉永さんが何か変だよ!

 ヒトによる、無残な扱いを受けるネコたち。  隼人の心は、ひどく痛んだ。 「しかしこれは、目を背けてはいけない現実なんですね」  そう、やっとの思いで言葉を振り絞った。 キャスターは彼にうなずいて見せたが、すぐに別の問題を提起してきた。 「では次に、ネコが害をなす事例を、見ていきたいと思います」  再びVTRに切り替わり、高齢の女性がネコに餌を与えている様子が映った。  ただそれは、自分の飼い猫に、ではないのだ。  公園のベンチに腰掛けた女性が、ドライフードを撒くと、たくさんのノネコが集まって来た。  やがて彼女が去ると、残ったフードを巡り、ネコとカラスが喧嘩を始めた。  別のネコは、子どもたちも遊ぶ砂場で、排泄している。  女性は良かれと思ってノネコに餌を与えるのだが、その行為が仇になっているのだ。

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