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第二十二章 もっと輝く男に

 相手が困っていたら、人間は手を差し伸べたくなるのではないでしょうか。  今回は、それがネコだった。  お腹をすかせたネコを、見過ごすことはできない。 「私のひいおじいちゃんは、そう思ったそうです」  このように結び、隼人はいったん口を閉じた。  彼の話に、つい聞き入ってしまっていたキャスターは、慌てて言葉を継いだ。 「なるほど。この高齢者もまた、空腹な体験をしたからこその餌やり、ということですか」 「はい。もちろん、全ての方に当てはまるとは、考えていません」  十人十色の、理由はあるだろう。  だからこそ、まずは寄り添い、話しを聞いてあげたい。  そして、猫害についても、意見し合いたい。  そう、隼人は述べた。 「一番に願うのは、子どもたちへの教育です」 「話が、大きくなってきましたね!」 「学校で、思いやりの心を育むと同時に、社会生活のマナーも学べる、カリキュラムが欲しいと考えます」 「確かに、猫害で困っている人たちは、実際にいるわけですからねぇ」 「はい。ヒトとネコが、お互い仲良く関われるような。そんな社会にしたいですね」 「では、ここでCMです」

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