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第二十三章 頭の中はお花畑!
「はぁ……。隼人さん、カッコ良かったな……」
隼人が出演した番組を観終わってから、比呂は床をもう一度ふき、磨いていた。
紫織がこぼしてしまった、ミルクティーの始末だ。
「それにしても。吉永さん、急にどうしたんだろ」
いきなり顔色を悪くして、寝室へこもったきり出てこない。
様子を見に行こうかな、と比呂が考えた時に、携帯の着信音が短く鳴った。
「あ、メール。……隼人さんからだ!」
『比呂くん、もう起きてるかな?
私が出演する番組、録画予約しておいたから、良かったら観て欲しいな。
私の曽祖父の話をしたんだ。
比呂くんと出会ったから、思い出すことができたんだ。
本当に、ありがとう』
「隼人さん。僕、隼人さんのお仕事の役に立てたんだね!」
短いメールなので、きっとスキマ時間にくれたのだろう。
それでも、隼人からの言葉は、比呂を喜ばせた。
「さっそく、返信するよ!」
比呂もまた、すぐに隼人へメールを送った。
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