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 ファッション誌の撮影が終了した時に、ちょうど笹山がスタジオに到着した。 「笹山さん、割と早かったですね」 「動物愛護団体のピックアップ、できたよ!」  ただ、まだ寄付金は送っていない、と言う。 「リストアップした団体について、桐生さん自身でも確かめた方が良いかな、と思って」 「確かに、そうですね」  さらに笹山は、こうも述べた。 「事前に、寄付したいのですが、とかメールを出して。きちんと対応してきた団体に、送金した方が良いよ」 「ありがとうございます」  確かに、少々気が逸ったな、と隼人は反省した。  あの時はもう、何が何でも今すぐに、悲しいネコたちに手を差し伸べたい一心だったのだ。 (寄付のこと、比呂くんにも伝えたいな)  彼は、どう思うだろう。  何と言うだろう。  そう考えると、また胸がムズムズしてきた。  撮影で疲れているだろうから、と代わりに車を運転してくれている笹山に、隼人は持ち掛けた。 「笹山さん。この後は、映画のキャストオーディションなんですが」 「うん。そうだったね」 「辞退したら、ダメですか?」 「は!?」  笹山は思わず、ステアリング操作を誤るところだった。

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