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「好き。隼人さん、大好き」 「私も比呂くんが、すごく好きだ」  隼人の返事が聞こえたかと思うと、比呂の額に柔らかな感触が。  額に、頬に。  鼻に、顎に。  甘いキスの攻撃に、比呂はふにゃふにゃだ。 「ぅふ、ぅん。んぅ、うふふ……」  ゴロゴロと、喉を鳴らしたくなる。 「そろそろ、起きて」  最後に、瞼に唇が触れた。 「起きる、ったって。隼人さん」  これは、夢なんだよ?  目を開けると、この素敵な夢から、覚めちゃうじゃん。 「では。眠り姫を目覚めさせるキスを」  最後と思っていたキスには、まだ続きがあった。  隼人の唇が、比呂の唇を柔らかくふさいだ。 「ん……」  互いにリップを食み合い、舌を絡めた。  隼人の舌が、比呂の唇を割り、咥内へと忍び込む。  その途端、彼がよく口にするミントの味が、爽やかに広がった。  舌先で、敏感な上あごを何度も刺激され、比呂はだんだんと体が疼いてきた。

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