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 比呂のテクニックを、隼人は悲しく感じた。  彼は100年もの間、金満家の屋敷を転々として、使用人を務めてきた。  そして乞われるままに、その体も差し出し、奉仕したのだ。  おそらくは、そんな経緯を経て磨いてきた、技巧。  愛しても、愛されることは無かった、長い年月。  それを思えば、言わずにはいられなかった。 「比呂くん、愛してるよ」 「隼人さん」  嬉しい、と蕩けた笑顔の比呂に、隼人は熱く滾ったペニスを埋め込んだ。 「あ、はぁ……。んんぅ、っふ。んぅ……」 「痛くない?」 「気持ち、い……。隼人さんは?」 「とっても、気持ちいいよ」  二人、繋がったまま、互いを慈しんだ。  隼人が動き始めると、比呂は喉を反らせて、甘く啼いた。 「あっ、ぅん。んっ、んッ、んぁ……。はぁ、あ、あぁ……!」  その可愛い声を、いつまでも聞いていたい。  切ない表情を、いつまでも見ていたい。  隼人は比呂を、大切に優しくいじめた。  腰を入れ、深く繋がりながら、彼の耳をしゃぶった。 「あ、あぁ! ダメ、隼人、さ……! そんなの……!」  隼人は、比呂がキスをしながら、その手で施してくれたように、穿ちながら耳を愛撫した。  舌先でなぞり、唇で食み、歯で甘噛みする。 「う、うぅ! はぁ、あぁあ!」  震え、比呂は先に精を吐いた。

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