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第三十三章 久しぶりのエッチ!

「ここが、私の部屋だよ」  達夫邸の、二階の洋間に、隼人は比呂を招き入れた。  5歳の頃から大都市で、両親と共に芸能活動をしていた、隼人だ。  祖父の暮らす田舎へは、たまにしか遊びに行けなかった。  それでも達夫は、隼人の部屋を用意してくれた。  成人した今でも、いつ訪ねてもいいように、きちんと掃除され、整えられていた。 「しかし、おじい様。急に、自分の部屋で寝泊まりしなさい、だなんて」   一週間過ごしたのち、さらに10日ほど滞在したい、と持ち掛けたところの返事が、こうだった。 『そんなに長くいるのなら、もうお客様扱いはしないぞ!』  隼人は肩をすくめて、比呂を見た。 「明日からのおじい様は、人使いが荒くなりそうだ」 「それでも、いいじゃん。どのみち、身内なんだから」  それもそうか、と笑い合った。  今まで夜は、座敷に布団を敷いて、隼人と比呂、そして紫織の三人で寝起きしていた。  しかし隼人には自室があるので、そちらで寝泊まりをするようになったのだ。  

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