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第三十七章 前に進むよ!
「やぁやぁ、よく来たな。待っておったよ」
「おじい様、お世話になります」
隼人と紫織は、比呂の時間遡航術で元の時代へ戻った後、再び祖父・達夫を訪ねていた。
当初はそのまま帰るつもりだったが、思いのほか比呂の体力が削られてしまったのだ。
そこで達夫に連絡を取り、彼の調子が整うまで、休ませてもらうことにした。
電話で比呂の不調を知らされていた達夫は、心配そうだ。
「比呂くんは、大丈夫なのか?」
「おじいちゃん、ハロ~」
笑顔だが、ぐんにゃりと力なく、隼人に背負われている比呂だ。
その姿に、達夫は玄関のドアを大きく開いた。
「話は後だ。座敷に布団が敷いてあるから、早く寝なさい」
「ありがとうございます、おじい様」
隼人は急いで靴を脱ぐと、家屋へ上がり座敷へと進んだ。
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