181 / 229

第三十七章 前に進むよ!

「やぁやぁ、よく来たな。待っておったよ」 「おじい様、お世話になります」  隼人と紫織は、比呂の時間遡航術で元の時代へ戻った後、再び祖父・達夫を訪ねていた。  当初はそのまま帰るつもりだったが、思いのほか比呂の体力が削られてしまったのだ。  そこで達夫に連絡を取り、彼の調子が整うまで、休ませてもらうことにした。  電話で比呂の不調を知らされていた達夫は、心配そうだ。 「比呂くんは、大丈夫なのか?」 「おじいちゃん、ハロ~」  笑顔だが、ぐんにゃりと力なく、隼人に背負われている比呂だ。  その姿に、達夫は玄関のドアを大きく開いた。 「話は後だ。座敷に布団が敷いてあるから、早く寝なさい」 「ありがとうございます、おじい様」  隼人は急いで靴を脱ぐと、家屋へ上がり座敷へと進んだ。  

ともだちにシェアしよう!