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(しかし……)
隼人は、困惑していた。
(青原さんが猫神様だ、ということは解った。だけど、何から話せばいいんだ?)
青原は、比呂が心配だ、と語った。
そして、実際に会いたいと言って、比呂をこの場に呼んだのだ。
(青原さんから比呂くんに向けて、メッセージがあるはずだが)
その青原は、のんびりと動き、自分のバッグを手にした。
「もう、お昼だな。ランチにしよう。比呂くん、食べたいものはあるかね?」
「僕、お好み焼きが食べたい!」
遠慮しない比呂に、青原は笑顔だ。
可愛くて仕方がない、と言った風の様子に、隼人は安堵した。
(この人なら、きっと比呂くんを導いてくれる)
「行きましょう。私が、運転します」
「お願いするよ」
比呂は、さっそく端末を使って、美味しいお店を探している。
「ここから車で15分のところに、評判のお好み焼き屋さんがあるよ!」
「よし、そこへ行ってみよう」
すっかり緊張の解けた隼人と比呂は、青原と共にお好み焼きランチへと出かけた。
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