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第四十五章 仲間たちだよ!

 オフの一日を使って、隼人はたっぷり休養を取り、リフレッシュした。  比呂と一緒にドライブをしたり、立ち寄った郊外のカフェでコーヒーを飲んだり。  たまたまそこに農場があったので、イチゴを摘んで食べてみたり。 「特別に何かをしたわけじゃないのに、とっても満ち足りた気分だ……!」 「隼人さんは、ようやく人並みの生活を始めたからね」  比呂に言われて、隼人は気づいた。  幼い頃から、常にスケジュールに、仕事に追われる日々。  誰かとのんびり、行き当たりばったりで遊ぶなど、久しぶりなのだ。  しかも、隣にいるのは、最愛の人。 「ああ、ありがたい。ありがたすぎて、涙が出るよ」 「大げさだなぁ」 「いや、比呂くんが傍に居てくれる。それだけで、人生がバラ色だ」 「そ、そんなこと言ったって。何も出ないんだからね!」  照れて、視線を逸らしてしまう比呂が、可愛い。  微笑んだ後、隼人は彼に、少し仕事の話を持ち掛けた。

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